コートジボワールカカオの生産量はなぜ多い?問題点も解説

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コートジボワールのカカオ生産量は世界第1位ですが、日本で「コートジボワール産のカカオ」として見かけることはほとんどないですよね。

それはなぜなのか?と、コートジボワールのカカオ事情について

  • カカオ生産量となぜ多いか
  • 問題点

をこの記事では解説していきます。

目次

コートジボワールのカカオ生産量となぜ多いか

まずコートジボワールのカカオ生産量について見ていきましょう。

日本だと、チョコレート=ガーナ、のイメージが強いかもしれませんが、カカオの生産量でいうとコートジボワールがぶっちぎり1位。

カカオ生産量
コートジボワール2,225,000トン
ガーナ950,000トン
2020~2021年の統計値。日本チョコレート・ココア協会の資料より引用

なんと、全世界のカカオ生産量の3割以上をコートジボワールが占めています。

コートジボワールのカカオ生産量はなぜ多い?

コートジボワールでカカオの栽培が始まったのは19世紀後半と比較的最近で、フランスによる植民地支配がきっかけで国の主要農産物となりました。

その後、1960年にフランスから独立してから急激に生産量が伸びています。

質より量を重視したフランスの方針により、風味は劣ってもたくさん取れるカカオ豆を栽培していること、そしてそれが引き継がれていることがコートジボワールのカカオ生産量が多い理由のひとつです。

きょうこ
きょうこ

カカオ生産量が多い理由は他にもありそうなので引き続き調べます…!

コートジボワール産カカオの特徴

コートジボワールのカカオは「フォラステロ種」という品種がおもに栽培されています。

フォラステロ種とは、病害に強く収穫量が多いのが特徴で、他のカカオ豆とブレンドするための「ベースビーンズ(土台)」に使われることが多い品種です。

苦み・渋みがしっかり感じられるカカオ豆が多く、でもガーナより若干あっさりした風味だとか。

フォラステロ種は大量生産のお菓子に使われることが多く、表に目立つことがあまりありません。

コートジボワールのカカオはなぜ日本に来ない?問題点は

世界一のカカオ生産量を誇っておきながら、日本で「コートジボワール産のカカオ」として見かけることがほとんどありませんよね。

また、貧困問題も懸念されています。

これには問題点が3つ考えられまして

  • 生産~輸出までの管理体制
  • 植民地時代の方針
  • カカオ豆の品種

が挙げられます。(他にもあるかもしれませんが、ここでは3つ取り上げます)

問題1、生産~輸出までの管理体制

コートジボワールのカカオ生産の大半が小規模農家によるもので、生産・流通・出荷などが民営で管理されています。

民営で管理されているがゆえ、品質や流通経路にバラつきが出てしまうんです。

一方で隣国ガーナは国をあげてカカオ産業に取り組んでいるため、生産・品質管理・品種や栽培の研究といったことを一元管理しています。

ガーナのカカオ品質は安定しており流通経路もしっかりあるため、日本への輸入量が多い結果となっているんですね。

実際、日本のカカオ輸入量はガーナ>コートジボワールとなっています(下表)。

日本への輸入量
コートジボワール1,584トン
ガーナ38,564トン
2020年の統計値。日本チョコレート・ココア協会の資料より引用

コートジボワールもガーナも、カカオ栽培の担い手のほとんどが小規模農家です。

ガーナは国がカカオ生産を管理して輸出価格を一括で決めているのに対し、コートジボワールは栽培農家が収穫したカカオ豆を発酵させて一か所に集めて乾燥させて終わり。

乾燥後の豆を業者が買い取り、市街の倉庫で輸出を待つ…という工程を経ると、カカオ農家に入る収入はごくわずかとなってしまうため、貧困問題が改善しないまま現在に至っています。

きょうこ
きょうこ

わたしが読んだ資料によると、コートジボワールのカカオ農家が得る収入は1日当たりわずか0.5ドルだとか…!

問題2、植民地時代の方針

フランスによる植民地支配がきっかけで始まったコートジボワールのカカオ栽培。

このときにフランスがコートジボワールからより多くの利益を得ようと質よりも量を取る方針を取ったゆえに、カカオの品質が重視されずに今日に至っているのが貧困問題が解決しないひとつの理由と思われます。

問題点3、カカオ豆の品種

そもそも西アメリカのカカオは大量生産のチョコレート菓子に使われることが多いんです(カカオ品種的に)。

質より量を重視してカカオ豆が栽培されており風味がほかのカカオ品種よりも弱いため、高値がつかないのが問題かもしれません。

きょうこ
きょうこ

同じアフリカ地域でも、マダガスカルのカカオ豆は風味が良く、高値が付いたりします。

まとめ

この記事では、コートジボワールのカカオについて、

  • 生産量
  • 特徴
  • 問題点

などをお伝えしました。

生産量が多いわりに「コートジボワール産のカカオ」として見かけることがほとんどないのは、

  • 輸出までの管理が民間でやっているため日本への輸入経路が確立されていないから
  • 大量生産のチョコレート菓子に使われるようなカカオ品種の栽培が主であるから

といったあたりがおもな理由として考えられます。

参考にして頂けたら嬉しいです。

お読みいただきありがとうございました!

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この記事を書いた人

空港で約7年働いたのち、まったく異なる大手料理教室へ転職し、料理・ケーキ講師の経験を積む。
それと並行してチョコレートを学び、現在は神奈川県川崎市でチョコレートレッスンを開催。
好きな場所は宮古島とパリ、得意技は美味しそうに食べること・気持ちよさそうに眠ること。
詳しいプロフィールはコチラ

コメント

コメント一覧 (2件)

  • はじめまして。
    コートジボワールのカカオ産業は民営との記述がありますが、参考にされた文献はありますでしょうか。

    • はじめまして。
      文献と言うより、蕪木祐介さん著の「チョコレートの手引き」を参考にいたしました。
      何か問題点があれば今後のためご指摘頂けますと幸いです。
      よろしくお願いいたします。

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