2000円のチョコと100円チョコ・値段の差の秘密を明かす!【チョコレートと値段】

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世の中のチョコレートは、100円でお釣りが来るものから2000円以上するまで本当に差がありますよね。

今日はなぜチョコレートの値段にそんなに差があるのか、解説します。

目次

2000円チョコと100円チョコ、その値段の差はカカオバターにあり

100円でお釣りが来るものから2000円以上するものまで、チョコレートの値段は実に差がありますよね。

これにはいろんな理由がありますが、何を大切にしてチョコレートを作っているかの違いであり、優劣の問題ではありません。

ですが実際問題、高いチョコレートは口どけが良いんですよね。

スーパーで売っている範囲の中でさえ、少し値段を上げれば口どけが良いチョコレートだったりするし、逆に100円前後のチョコレートだと溶けるのが待ちきれなくてつい噛んでしまうこともしばしば・・・。

優劣の問題ではないと言いつつ、値段と口どけの良さが比例しているのが現実だったりします。

なぜこんな差が起きているかというと、その理由のひとつに、

  • カカオバターを使っているかどうか

が関係してきます。

つまり、そのチョコレートの原材料にカカオバターが含まれているかどうか?ということです。

カカオバターが入っているチョコレートは口どけが良いのです。

なぜカカオバターが入っているチョコは口どけが良いの?

次に気になるのは、なぜカカオバターが入っていると口どけが良いのか?という点です。

これは、

  • カカオバターは溶け始めてから姿を消すまでの間が非常に早いから

です。

深く掘り下げるとカカオバターの分子列に特徴があるという話になるのですが、つまり、カカオバターは2~3℃の温度変化で個体から液体になる(溶ける)ということです。

この特徴により、チョコレートの原材料にカカオバターを使うと、すーっと溶ける口どけが良いものができるのです。

ところで2~3℃って果たして狭いのか、ピンと来ないと思いますので比較をしてみましょう。

バターは固体から液体になるまで20℃の差がある(幅が広い)

チョコレートと少し離れますが、乳製品のバターを思い浮かべてみてください。

バターって冷蔵しているとカチコチですが、常温に出しているうちに指で押すと跡ががつくくらい柔らかくなり(クリーム状)、温めると溶かしバター(液状)になります。

フライパンの上で転がしているときなども、いきなり液体になるのではなく、柔らかくなってから溶けますよね。

これは個体から液体になるまでに温度幅があるからです。

指で押すと柔らかくなるのはバターが約13~18℃の間でそこだけでも差は5℃、液状になるのは40℃弱と言われているので、バターの場合、個体から液体になるまでの幅は20℃以上あります。

対して、カカオバターは固体から液体になるまで2~3℃(幅が狭い)

こうして比べてみると、カカオバターがが2~3℃の変化で個体から液体になるというその幅はかなり狭いということがわかります。

  1. カカオバターは2~3℃温度が上がっただけで溶ける
  2. 姿を急に消すように溶ける
  3. よってチョコレートにカカオバターを入れると口どけが良くなる

ということですね。

だったらすべてのチョコレートにカカオバターを使えばいいじゃんって話なのですが、カカオバターは高いので、材料費がかさんでしまいます。

なので、コスト的にカカオバターを使うのが難しいこともあるわけです。

コストを抑えるためにカカオバターを使わないとなると、何か別のもので代用するしかありません。

ここで出てくるのが植物油脂です。

カカオバターの代わりに植物油脂を使うとコストが抑えられる!?

安い商品にするためにはカカオバターではなく植物油脂を使います。

100円チョコのパッケージの原材料欄にはだいたい「植物油脂」と表記が入っているのではないでしょうか。

植物油脂はカカオバターほど状態変化の温度幅が狭くないので、口に入れたあと溶けるまでに時間がかかります。

きょうこ
きょうこ

植物油脂の代表であるパーム油の場合、40℃前後で溶けます。
人間の口の中はだいたい34~35℃。
なので、5℃くらい上がらないと溶けないということになります。

ということで、カカオバターを使っているかがどうかが口どけの良いチョコレートかを左右するわけです。

カカオバターの代用で植物油脂と言うと、「植物油脂=粗悪品」のように聞こえてしまいますが、そういう意味ではなくあくまでコスト的な話。

でもコスト面以外に、植物油脂を使うメリットがあります。

植物油脂を使ったチョコは「商品として扱いやすい」メリットがある!?

カカオバターを使ったチョコレートは口どけが良くて、植物油脂を使ったチョコレートは溶けるまでに時間がかかる・・・

ということは、逆に言うと、植物油脂を使ったチョコレートは「溶けにくいから商品として扱いやすい」ということになります。

湿気大国日本の場合、植物油脂を使って溶けにくいチョコレートを作ることでお店の生産性が上げられるのです。

色々考えられてたどり着いた植物油脂なのかもしれませんね。

まとめ

いかがでしたか。

今日は、2000円チョコと100円チョコの差の秘密、「カカオバター」について解説しました。

値段の差には様々な理由がありますが、

  • カカオバターという材料を使っているかによって値段と口どけが比例する

という、ひとつの目安はおわかり頂けたでしょうか。

よかったら参考にしてください^^

ちなみに、チョコレートの差を楽しむならおすすめはbean to barのチョコレート!

お店の方向性によってカカオバターを使うかどうかが変わってくるbean to bar。

bean to barとはカカオ豆から板チョコを作っているお店のことです。

カカオバターを使っているお店とそうでないお店のチョコレートを比較すると、口どけに差があるのがよくわかります。

これはどちらが良い・悪いではなく、好みの問題ですが、機会があったらbean to barに出かけてみてくださいね。

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この記事を書いた人

空港で約7年働いたのち、まったく異なる大手料理教室へ転職し、料理・ケーキ講師の経験を積む。
それと並行してチョコレートを学び、現在は神奈川県川崎市でチョコレートレッスンを開催。
好きな場所は宮古島とパリ、得意技は美味しそうに食べること・気持ちよさそうに眠ること。
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