
このページでは、プロ並みに仕上がるボンボンショコラの作り方を画像を交えながら徹底的に解説します。
材料はたったの4つでOK、道具もほぼ自分で用意できるものばかり。
こだわるところにはこだわりつつも、全体的にシンプルな作り方です。
ここで紹介したボンボンショコラを作るレッスンに参加した生徒さんからは、

家で試したくなるほど、シンプルな作り方でした。
と感想を頂いていますので、ぜひ参考にしてください。
それでは、早速いきましょう!
ボンボンショコラの作り方1、必要な材料
ここでお伝えするボンボンショコラの材料は4つ。
ボンボンショコラ約2.5cm角×16個分
※型は10×10cmの専用のものを使っていますが、似た大きさであればOKです!
- 製菓用チョコレート(カカオ分55~58%)90g←ガナッシュ分
- 生クリーム 60g
- 水あめ 14g
- バター 20g
※コーティング用に、別途好みのチョコを用意します。300gあれば十分です。
使う材料についてそれぞれ詳しく解説していきますね。
チョコレート
製菓用チョコレートは製菓材料店やネットで買うことができます。スーパーに売ってることも。
- チョコレートはカカオ分55~58%のものを使う
- 製菓用チョコレートなら、クーベルチュールと書いてあるものじゃなくてもOK
カカオ分が異なるもの(=55~58%以外のもの)の場合、生クリームの量を調整する必要があります。
ですのでまずはカカオ分55~58%のチョコレートを探してみてくださいね。
これは一般のチョコレートよりもカカオバターが多く含まれているものと解釈すればOKです。
カカオバターの含まれている量が多いほど、溶かしたときの状態がサラサラ。
カカオバターとは?
カカオバターとは、カカオの種子から取れる脂肪のことです(大辞泉引用)。

生クリーム
生クリームはスーパーに色々売ってるので迷いますが、以下の条件を満たすものを使ってください。
・動物性生クリーム35~36%のもの
・植物性や乳脂肪タイプではない
植物性生クリームの方が安価で手に入りますが、似て非なるものなので残念ながら代用はできません。
35%や36%というのは生クリームの中の乳脂肪分の割合を指します。
生クリームの種類については、生クリームの動物性、植物性の違いは?で詳しく解説しているので、気になる方はご覧ください。
水あめ
水あめを入れる理由は日持ちを良くするため、つまり防カビです。
このボンボンショコラは2週間ほど日持ちするのですが、水あめを入れないと3~4日の日持ちになってしまいます。
カビは、水があるところに生えます。
しかし
水が砂糖などと結合していればカビは生えません。
水あめは結合していない水を吸ってくれるので、防カビ効果となるわけです。
水あめを同量のはちみつに置き換えることも可能ですが、はちみつの味によって仕上がりの風味が変わってしまうので最初は水あめを用意するのがオススメ。

バター
バターで気を付けることは以下の2つです。
・食塩不使用のものを用意する
・有塩バターやマーガリンは使わない
有塩バターだとボンボンショコラの風味が変わってしまいますので避けましょう。
バターの代用品としてマーガリンがありますが、これも植物性生クリーム同様、似て非なるもの。
・乳脂肪のみから作られるものがバター
・植物性油脂を使って作られたものがマーガリン
違いをおさえておきましょう!
このボンボンショコラの作り方レシピにおいてバターを入れるのは、
- 食べたときの口どけ(融点)を下げるため
- しっかり固めるため
詳しくは、作り方の途中で解説します。
ボンボンショコラ作り方2、必要な道具
では次にボンボンショコラ作りに使う道具をお伝えします。
ボンボンショコラ作りに必要な道具 |
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揃えるものが多そうですが、ほぼ家にあるものまたは100均で買えるものですよ^^
チョコを固める用のカードルは東京の合羽橋で購入可能です。
やはりこれがあるときれいに固まりますが、3000円前後します。
↓これがカードル。手前が15cm角、奥が10cm角です

同程度の大きさのタッパーを使ったり、牛乳パックを切ったりクッキングシートを折って枠を作ったりといろいろ代用できますので、四角に流せて、ある程度高さが出る入れ物ならOKです^^
ボンボンショコラの作り方3、全体の流れ
このボンボンショコラのレシピには大きなこだわりポイントが2つあります。
- 生クリームを3回に分けて加える
- 乳化
- クリーム状のバターを入れる
です。
この3つにこだわることで、他とは違う極上のボンボンショコラが作れます。
こだわる理由のそれぞれは作り方の中で解説しますので、まずは全体の流れを見てみましょう。
ボンボンショコラ作り方~全体の流れ~ |
ガナッシュ作り
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ガナッシュとはチョコレートと水分を乳化させて作るもののこと。
食べたときの食感や味に大きく影響するので、丁寧に作っていくことが大事です。

冬場の場合、寒すぎるところで作ると逆に作りにくくなるので、暖房入れるなどして部屋を20℃くらいにするのがおすすめです。
ボンボンショコラの作り方4、【前半】ガナッシュ作って冷やすところまで
ますはガナッシュ作りからスタートです。
1.50~60℃くらいの湯せんでチョコレートを溶かしておく
最初にチョコレートを溶かします。
チョコレートを溶かさずに刻むだけでガナッシュを作るレシピもありますが、混ぜやすさを考えると、溶かしておいた方がいいですね!
舌触りが悪くなる原因にもなるので、50~60℃くらいの湯せんでじっくり溶かしていくのがベスト。
なんですが・・・私は時間短縮のため、70~80℃くらいのお湯で溶かしています。
要は溶かすチョコレート全体が52℃を超えなければ、多少熱いお湯でもOKです。
慣れてなかったら、時間をかけて溶かすのがおすすめ。
2.生クリームと水あめを鍋に入れ火にかけ、沸騰直前まで温める

チョコレートがほぼ溶けてきたら、お鍋で生クリームと水あめを沸騰直前まで温めます。
- 火加減は鍋からはみ出ない程度の強火でサクッと温める
- 生クリームがフツフツいったら火を止めてOK!
グツグツにならないように気をつけてくださいね。
グツグツしてしまうと必要な水分が飛んでしまってチョコレートとうまく混ぜられなくなります。
・チョコと混ぜやすくするため
・念のための殺菌
です。
3.生クリームをチョコレートに3回に分けて加え、乳化させる。
生クリームを3回に分けて加え、その都度チョコレートと丁寧に混ぜていきます。
生クリームは水分主体、チョコレートは油分主体で、相反する素材のため、何となく混ぜたのではおいしく混ぜ合わせることはできません。
丁寧に混ぜることで融合させてあげることが大事で、これを乳化といいます。
生クリームを加えたら泡立て器で混ぜていきますが、ポイントは3つ。
- いきなり全体を混ぜない
- ガシャガシャ混ぜない
- 最初は手首をあまり動かさず同じ場所で混ぜ、慎重に中心から外側へ円を広げていくように混ぜる
- 2回目以降の生クリームを入れるときは前に入れた生クリームが混ざってから
以上のことに気を付けて混ぜてください^^
乳化の過程を写真解説すると
▽1回目の生クリーム入れたところ▽
※ビビッて少ししか入れないと逆に混ぜにくくなりますので、4分の1~3分の1程度の生クリームを入れてください。

▽混ぜている途中▽
生クリームにチョコレートが浮かんでいますね。これはまだうまく混ざっていない状態です。

▽一部乳化した状態▽
泡立て器のまわりだけ、ちょっとツヤっとしているのがわかりますか?
この真ん中部分が乳化できている状態です。
ここから徐々に円を大きくして言って全体を混ぜます。

▽1回目が混ぜ終わったところ▽
徐々に円を広げていくとやがてこのように全体がツヤっとします。
生クリームの姿ももうないので、2回目を入れて大丈夫です。
(※2回目以降生クリームを入れるときは、その前に入れた生クリームがなくなってからでしたね)

これを繰り返していきます。
▽泡立て器を上から持ち、垂直にして混ぜましょう▽

このようにして、生クリームとチョコを丁寧に混ぜていきます。
空気を入れるような混ぜ方はしないでくださいね。
4.ゴムベラに持ち替えて引き続き混ぜ、乳化させる
生クリームをすべて加え混ぜたら、今度はゴムベラに持ち替えて混ぜていきます。
3の工程が終わった時点で、見た感じはチョコレートと生クリームが混ざっているのですが、分子レベルで言うと実はまだちゃんと混ざっていない(乳化していない)んです。
泡立て器で混ぜ続けると空気が入りやすくなってしまうので、ゴムベラに持ち替えて混ぜ続けていきます。
ゴムベラの先をボウルの底に押し付けて「キュッキュッキュ」といった感じで混ぜていってください。
乳化してくると、
- 全体の色がワントーン明るくなる
- 味見すると舌触りがなめらか
- 味見すると味に一体感出てくる
といった変化が出てきます。

生クリームとチョコの味に一体感が出てくるまで丁寧に混ぜましょう~!
5.クリーム状にしたバターに、チョコレートを少量加えてよく混ぜる
しっかり乳化させたら、次はクリーム状のバターを加えていきます。
「クリーム状のバター」の目安は、指で押した跡が残るくらいです。
理想は室温に置いたままにして自然に柔らかくなることですが、急ぎの場合は電子レンジ500Wで10秒ずつかけて様子を見ながら慎重に柔らかくしてくださいね。
ちなみに、溶かしバターを再度固めてももとのバターと同じ状態にはなりません。
うっかり溶かしてしまったときは潔く諦めて、ホットケーキやオムレツ作るときにでも使いましょう・・・
混ぜるときはバターをそのままチョコレートに入れてもいいのですが、それだとダマができやすいです。
極上の仕上がりにするのにバターのダマがあっては困りますから、最初少量のチョコレートとバターを混ぜて均一にしておきます。
▽こんな感じで少量のチョコレートと混ぜてダマができないようにします▽

ここでの混ぜ方はゴムベラや泡立て器でぐるぐる混ぜて大丈夫です。
▽混ぜたあとこんな感じになります▽
バター跡がなくなるまでしっかり混ぜてくださいね。

これは溶かしバターではできないことなので、ぜひクリーム状のバターを使ってくださいね♪
6.混ぜたバターをチョコレートに入れ混ぜる

少量のチョコレートとバターが均一に混ざったら、チョコレート全体に戻してまた混ぜます。
ここもぐるぐる混ぜで問題ないです。
バターが入るので全体の色が少し薄くなりますね。
7.型に流して冷やす
出来上がったガナッシュを型に流して冷やします。
全量型に流すと出来上がりのボンボンショコラが大きくなるので、3分の2くらいでOK。
型の中に流したら、コルヌ(スケッパー、カードとも言います)やゴムベラで平らにならしてくださいね。
空気が入ってるとガナッシュの間に空洞ができてしまうので、型に流したらトントン空気抜きをします。
冷やす時間について、理想は15~18℃・湿度65%くらいの環境で24時間。
しかし、なかなかそのような環境を用意するのは難しいので、冷蔵庫で最大24時間(24時間以内に型から外す)をおすすめします。
チョコレートは徐々に体積が少なくなっていくので、24時間固めることで仕上がり後時間が経っても空気が入りにくいのですが、自分が食べる分には冷蔵庫で1時間でもOKです。
固める時間が短いからといって極端に危険になるということではないです。
ここまでで前半は終わり。
後半は次の日にするなど、日をまたいでもOKです。
ボンボンショコラの作り方5、【後半】カットから仕上げ
さて後半、仕上げの部分の解説に入ります。
インスタライブで後半部分を解説した動画があるので、動画で見たい方はこちらをどうぞ!
8.ガナッシュを型から外す
ガナッシュが冷え固まったら、型から外します。
9.溶かしたチョコレートを表面に薄く塗る
溶かしたチョコレートをガナッシュの表面に薄く塗りパレットで伸ばします。これを下塗りといいます。
この作業をすることで、コーティングの作業をしやすくします。

この作業での注意点は3つ。
・チョコを乗せたらすぐに広げる
・厚くしすぎない【食感が変わるから】
・塗る前にガナッシュを冷蔵庫から出しておく
冷蔵庫から出しておくのは、ガナッシュが冷たいとチョコを乗せたときすぐ固まってしまいチョコをきれいに伸ばせないからです。
どのくらい前に出すかは季節や室温によって変わってくるので一概には言えませんが、冬場なら10分程度、夏場は3分くらいでしょうかね!
10.お好みの大きさにカットする
カットする前に、全体をきれいな四角に整えます。
言い方悪いですがチョコのくずがついていたら除いてください。
そうすることでのちのちの手間を省きながらきれいに仕上げていくことができますよ^^
お好みの大きさにカットしますが、オススメは2.3cm~2.5cm角。
細かい数字ですが、この大きさが食べやすいんです。
とはいえ、形や大きさは自由なので、お好みの大きさにどうぞ♪
テンパリングを取ったチョコレートでコーティング、仕上げ
カットしたら、あとはテンパリングを取ったチョコレートでコーティングし、お好みの模様をつけます。
コーティングはガナッシュのチョコと同じチョコでもいい?
よく聞かれる質問なんですが、ガナッシュのチョコとコーティングのチョコは同じでも変えてもどらでもOKです。
ただし、コーティングに向いてるチョコ・向いていないチョコがあるので、どのOKというわけではないです。
私が実際に試したチョコでおすすめを併記しておきますので、参考にしてください♪
飾りつけはお好みで!
転写シートという模様がつけられるシートをのせたり、アラザンやフォークで模様をつけるなどバリエーションはたくさん。

おすすめの転写シートは
転写シートは季節感を表すものもあるのでとても便利。
基本的にお好みの柄を選んでOKですが、今まで使ってみて地味~に「柄がつきやすい」「つきにくい」の差があるので、きれいに柄がつくものをご紹介します。

チョコレート 転写シート クリスタルスノー @馬嶋屋菓子道具店
○これも比較的柄がつきやすいです

チョコレート 転写シート レザー@馬嶋屋菓子道具店
○かわいい花柄なのにきれいにつきます♪

転写シート ロザンナ 2枚入 / チョコレート デコレーション 製菓材料 メール便対応可能
○レッスンで人気の柄!
チョコレート 転写シート アントネラ @ 馬嶋屋菓子道具店
○ちょっと高いけど、美しいサークル柄
チョコレート 転写シート ジェレミー 1枚【夏季冷蔵】@スイートキッチン
転写シートは事前に小さくカットしておきます。ボンボンショコラよりひとまわり大きくなるくらいにカットしましょう。(わたしはいつも3cm角に切っています)
テンパリングを取ったチョコレートは常温で固まりますが、最後に冷蔵庫で5~10分冷やします。転写シートは最後にはがせばOK。

ボンボンショコラのまわりに余計なチョコレートがついていたら包丁で切り落としましょう。
これで完成です!
このレシピ通りに作ったボンボンショコラ(クリーム状のバターを入れる作り方)は、口に入れた瞬間パリ、すぐにとろ~っととろけますよ。
まとめ&過去にあった質問
いかがでしたか。
今日はどこよりも詳しく!ボンボンショコラの作り方【徹底解説】についてお伝えしました。
最後に、材料と全体の流れをおさらいしましょう。
- 50~60℃くらいの湯せんでチョコレートを溶かしておく
- 生クリームと水あめを鍋に入れ火にかけて、沸騰するまで温める
- 生クリームを3回に分けてチョコレートに加え、泡立て器で丁寧に混ぜる
- ゴムベラに持ち替えて引き続き丁寧に混ぜ、乳化させる
- クリーム状にしたバターに、チョコレートを少量加えてよく混ぜる
- 混ぜたバターをチョコレートに入れ混ぜる
- 型に流して冷やす
- 冷やし固めたらガナッシュを型からはずす
- 表面に溶かしたチョコレートを薄く塗る
- お好みの大きさにカットする
- テンパリングを取ったチョコレートでコーティング、仕上げ
ぜひ試してみてくださいね。
もし正解がわからないところやうまくいかなかったところがあれば、下のコメント欄にご記入ください^^
過去に頂いた質問はこのあとまとめているので、そちらもあわせて参考にしてください。
美味しいボンボンショコラが作れますように!
お読みいただきありがとうございました!
過去に頂いた質問まとめ!
過去に頂いた代表的な質問をここでまとめていますのでよかったら参考にしてください^^
ここの質問とかぶらない内容でしたら、コメント欄にてお気軽に質問どうぞ♪