このページでは、ヴァローナのチョコレートの種類や特徴を知りたい人に向けて情報をまとめています。
製菓用チョコレートの中で高級品に位置する、フランス・ヴァローナ社のチョコレート。
お値段は高めですが、味に深みや濃厚さがあり、お菓子を作る前にうっかりそのまま食べてしまいそうな美味しさ。
しかし、たくさんの種類があるヴァローナ社のチョコレートは、名前を見ただけではどんな味なのかわかりにくいのが正直なところ。
ミルクチョコやホワイトチョコも含めると、20種類以上あるんですよ。
チョコの名称によって味や特徴が異なるので、どれを買おうか迷っているようでしたら、ぜひこの記事を参考にしてください。
まずは全体の特徴についてお伝えし、ページ後半では、「カライブ」や「グアナラ」などチョコごとに特徴を解説していきます。
それではいきましょう!
ヴァローナチョコレートのおすすめはどれ?
ヴァローナのチョコレートは20種類以上あり、それぞれ特徴や味がわりとはっきり異なりますが、調べたり実際に試してみた中でおすすめとして挙げるなら、以下の5つ。
- 酸味があってOKなら→カライブ(カカオ66%のブラックチョコレート)
- 苦みがほしいなら→グアナラ(カカオ70%のブラックチョコレート)
- ちょっと甘さがあってもいいならカラク(カカオ56%のブラックチョコレート)
- ミルクチョコレートなら→グアナラ・ラクテ(カカオ41%と少し多め)
- ホワイトチョコレートなら→オパリス(カカオ34%のホワイトチョコレートで甘ったるくない◎)
上記5つは小分けでも売られている種類なので、使い勝手が良いという意味でもおすすめです。
もし1kg単位で買えるよ!ということであれば、上記の5つに加え、
- ニアンボ(カカオ68%のブラックチョコレート)
は美味しいのでおすすめ!
あとは、私は甘さ控えめのものをご紹介する傾向にありますが、甘みがある程度ちゃんとあってもOKということであれば、
- ジヴァラ・ラクテ(カカオ40%のミルクチョコレート)
- イボワール(カカオ35%のホワイトチョコレート)
あたりもいいですね。
ヴァローナチョコレートの特徴
ヴァローナ社はフランスのチョコレートメーカーで1922年創業の老舗ブランド。
ヴァローナチョコレートの特徴をざっと挙げると、
- 商品ごとに味が全然違う(ちゃんと下調べしてから買うのがおすすめ)
- 味に深みがあり、チョコ単体で食べても口どけが良くなめらかなのがわかる
- 他社の製菓用チョコレートより1粒が大きい
- レンジで溶かしやすい
- 流動性は全体的に低め。コーティングにはあまりおすすめしない
といったところです。
一応3つのランクがありますが、それは覚える必要ないので、この記事のいっちばん最後に書いておきます。
味の特徴
フランスの製菓用チョコレートは味がはっきりしている傾向にあるので、ヴァローナ社のチョコレートも商品ごとにわりとしっかりめに特徴が出ています。
参考までに、ベルギー産のチョコレートは全体的にまろやかな味が特徴です。
全体的に味に深みがあって、製菓用チョコレートなのにそれだけで食べれる美味しさも特徴のひとつですね。
他社のものと食べ比べすると、ヴァローナの方が後味が濃く、口どけの良さやなめらかさも違うのがわかることもしばしばあります。
形の特徴
形は真ん中にくぼみがある楕円形。
コイン状(小さな円形)のメーカーが多いなか、ヴァローナは独特のかたちです。
1粒4g弱で他メーカーより大きいので、レンジで溶かしやすいです。
流動性
流動性に関しては、ヴァローナのチョコレートは全体的にもったりしていて流動性(サラサラ感)は低め。
商品説明に「ココアバターの追油が多い」と書いてあっても、いざコーティングするともったり感は否めないので、他社の流動性の高いチョコレートをブレンドしたり、ガナッシュの仕込みや焼き菓子、ムースなどに使った方が合うかな、という印象です。
ヴァローナチョコレートの種類一覧
ヴァローナ社では、
- ブラックチョコレート(つまりビターチョコレート)
- ミルクチョコレート
- ホワイトチョコレート
- ブロンドチョコレート
- インスピレーションシリーズ
の5種類を作っており、商品の種類は多く、ざっと数えただけでも20種類以上!
わたしが確認できた種類を、表の一覧にして特徴とともに紹介します。
実際に試したチョコについてはページ後半で詳しく紹介しますが、表にもひとこと感想載せておきますね。
種類が多いので長くなりますが、参考にして頂けたら嬉しいです!
ビターチョコレートの種類
ヴァローナはビターチョコレートの種類がいちばん多く、しかも商品によって結構特徴が異なるので最初は選ぶのが難しいかもしれません。
合わせる素材や作るお菓子によって決めるのがおすすめ。
わたしも、フルーツと合わせるときはカライブを・苦みが欲しいときはグアナラを。みたいに使い分けています。
商品名 | カカオ分 | 特徴 | 感想 |
トゥラカラム | 75% | スパイスの甘味と 混ざり合ったシャープな酸味 ほのかな甘みと心地よい渋み ラストは完熟フルーツのような風味 | |
アラグアニ | 72% | 苦みからの レーズンやマロンの香り ベネズエラ産カカオのみ | たしかに酸味はない |
グアナラ | 70% | 重厚な苦みと香りのバランスが調和 | 苦みあるが美味しい |
ニアンボ | 68% | 酸味は繊細 丸みを帯びた風味 ガーナ産カカオのみ | |
エクストラ・アメール | 67% | 力強いドライな風味 ほとばしる苦みと重厚な味わい 焼き菓子向き | |
カライブ | 66% | カリブ諸島のかかお特有の豊かな風味 ローストナッツを思わせる香ばしさ | ローストナッツ感は よくわからないが美味しくてガナッシュにすると最高 |
アルパコ | 66% | しっかりとした苦み ジャスミンやオレンジを思わせる フローラルで独特の香り | |
マンジャリ | 64% | フランボワーズ系の酸味と風味 好き嫌い分かれる味 マダガスカル産カカオのみ | |
タイノリ | 64% | 柑橘系のフレッシュさに続いてローストアーモンドの風味 ドミニカ共和国産カカオのみ | |
イランカ | 63% | ブラックベリーのようなシャープ感 酸味のあとに力強いカカオ感 ペルー産カカオのみ | |
マカエ | 62% | アプリコットやマンゴー系の 甘酸っぱい風味と力強いカカオの風味 最後にしっかり苦み | |
エクストラビター | 61% | 繊細な酸味とほろ苦さ チョコレート風味強い アプリコット系ドライフルーツの香り | ドライフルーツの香りは わからなかったけど、 他は説明通り! |
カラク | 56% | ナッツのような香ばしさ さっぱりとしたカカオの苦み カシスに似た酸味 | カカオ分が高いものと 比べると甘く感じるが 味は美味しい |
エクアトリアル・ノワール | 55% | マイルドなカカオフレーバー 追油しているのでコーティングにも 焼き菓子には不向きとのこと | 良くも悪くも ヴァローナっぽくない印象だが美味しい |
イタクジャ | 55% | ブラジル産カカオをベースにパッションフルーツの果肉を加えたチョコ | |
エクストラ・ノワール | 53% | 流動性が低い はっきりとしたコクのある味わい 焼き菓子向き |
ヴァローナの講習会に行ったとき、先生にいちばん好きなチョコはどれか聞いたところ、「ニアンボ」との回答でしたので試してみたところ、ハイカカオ感がそこまでなく、でも甘ったるいわけでもなくて美味しかったですよ~!
ミルクチョコレートの種類
ビターに比べるとミルクチョコレートの種類は少なくなりますが、それぞれ特徴が異なります。
いちばん有名なのはジヴァラ・ラクテですが、わたしの好みでは少し甘く感じるのが正直なところ。
ということでいくつか食べ比べた結果、あくまで個人の見解ですが、グアナラ・ラクテがいちばん好きでした!
商品名 | カカオ分 | 特徴 | 感想 |
バイベ・ラクテ | 46% | すっきりとした甘さ ドミニカ産カカオのみ | たしかに甘さはすっきりしている が、カカオの胸焼け感が否めない |
グアナラ・ラクテ | 41% | 甘さを抑えたミルクチョコ | ヴァローナのミルクでは一番好き でレッスンで愛用中 |
ジヴァラ・ラクテ | 40% | まろやかさとカカオらしさ バニラの香り高い | わたしには甘いのが正直なところ |
キャラメリア | 36% | 牛乳をキャラメリゼした甘さ控えめのチョコ | キャラメル感がちゃんとわかる 美味しいけどリピートは・・・ないかも |
エクアトリアル・ラクテ | 35% | 乳成分の配合控えめ しっかりとした甘味 ココアバターの追油あり | |
アゼリア | 35% | ヘーゼルナッツの香りが エレガントに広がるチョコ ジャンドゥーヤに近いが 型取りにも使えるとか | |
タナリヴァ・ラクテ | 33% | ミルキーなキャラメル風味 マダガスカル産カカオのみ | 説明通り、 ミルキーでキャラメル風味です |
キタヴォア | 50% | バナナとモルトの香り |
ホワイトチョコレートの種類
ヴァローナのホワイトチョコレートは確認できたもので2種類。
それぞれ特徴を比較しましょう。
商品名 | カカオ分 | 特徴 | 感想 |
イボワール | 35% | 繊細な香りとなめらかな香り | なめらかさがわかるけど甘い… |
オパリス | 34% | マットな白さと控えめな甘さ | これは好き! イボワールよりミルク感が しっかりある |
ヴァローナのホワイトチョコレートといえばイボワールが有名ですが、わたしはちょっと甘く感じるんですよね・・・で、比較的最近出たのが、オパリス。
イボワールとカカオ分が1%しか差がないのに、全然味が違います。のちほど詳しくご紹介します。
ブロンドチョコレートの種類
“第4のチョコレート”として、いち時期話題になったブロンドチョコレート。
商品名 | カカオ分 | 特徴 | 感想 |
オレリス | 35% | モーリシャス産の黒糖を使用 甘草を思わせるアロマと クリーミーな風味 | |
ドゥルセ | 35% | ブロンドチョコとして初めての商品 ビスケットを思わせる風味と 最後にほんのり塩味 | 本当にビスケット食べているみたい |
インスピレーションシリーズ
着色料や香料を使わずにフルーツの味がする斬新なチョコレート、インスピレーションシリーズ。
フレーズを初めて食べたとき、本当にいちごの味がしてびっくりしたものです。
カカオマスを使用していないので、分類としてはホワイトチョコレートですね。
商品名 | カカオ分 | 特徴 | 感想 |
インスピレーション・ フレーズ | 37% | 力強いストロベリーの味わい 鮮やかなピンク色 | ほんとにいちごの味! 流動性良い |
インスピレーション・ フランボワーズ | 35% | ラズベリーパウダー使用 ラズベリージャムのような酸味 深いピンク色 | |
インスピレーション・ ユズ | 34% | 高知産ゆずの弾ける甘酸っぱさと ほのかな苦み | |
インスピレーション・ パッション | 32% | 刺激的でエキゾチックなパッション フルーツの風味 自然な黄色 | |
インスピレーション・ アマンド | 30% | フレッシュなアーモンドの風味と リッチな味わい 素朴なベージュ色 |
以上が種類一覧でした!
ヴァローナチョコレートの選び方
選び方に関して、ヴァローナ社の場合、カカオ分のパーセントよりも味・特徴で選んでいいのでは、とわたしは思っています。
というのも、いくつかヴァローナのチョコを試したところ、商品によって味が結構違うと感じたから。
「ほしいカカオ分で選んだら味が好みではなかった」ということが起こりそうな気がするので、作りたい味・お菓子によって選ぶのがよいでしょう。
コーティングに使いたい場合は?
ヴァローナのチョコは全体的に流動性が低いので、実際に使ってみたところヴァローナチョコ単体でのコーティングはあまり向かないとわたしは感じています。
それでもコーティングに使いたい、という場合は、方法は2つ。
- ビターチョコならエクアトリアル・ノワール、ミルクチョコレートならエクアトリアル・ラクテを選ぶ
- ヴァローナチョコレートと他社のチョコレートをブレンドする
とはいえ、エクアトリアル・ノワール単体でコーティングを試したら結構もったりしていたので、後者の他ブランドのサラサラなチョコレートとブレンドするのがおすすめです。
ヴァローナのチョコ自体、特徴がはっきりめなので、コーティングに使うよりはガナッシュなど中身に使った方がその良さが出るかもですねー-
ヴァローナ/カライブの特徴
カライブはカカオ66%のブラックチョコレート。
- カリブ諸島のカカオを使っているのが特徴で、風味が豊か
- ローストナッツを思わせる香ばしさがある
- けど、すっきりとしたシャープ感もあるので、重い感じはあまりなく、高カカオに近いが食べやすい
ローストナッツ感はあまりわからなかったですが、今のところわたしはカライブが一番好きです。
初めてカライブでボンボンショコラのガナッシュを作ったとき、美味しくできて、すごい勢いで試食しちゃいました。(笑)
カカオ60%台以上のブラックチョコレートをお探しの場合、
- 酸味があってよいなら→カライブ
- 苦みメインがよければ→グアナラ(このあと紹介)
がおすすめです。
後味が重くなくてすっきり感がありつつも風味の豊かさが分かるチョコレートですよ。
ヴァローナ/グアナラの特徴
グアナラはカカオ70%のブラックチョコレート。
- 30年以上販売されているロングセラー商品
- 重厚で繊細な苦みと香りのバランスが取れている
といった点が特徴で、香りを感じつつも後味に苦みをしっかり感じます。
苦みがあるチョコレートを探しているときはグアナラがおすすめ!酸味はほとんど感じないです。
グアナラはそのまま食べてもとてもおいしいです。笑
ガナッシュを使う点では、栗のはちみつやシナモンと合うとのことです。
ヴァローナ/カラクの特徴
カラクはカカオ56%のブラックチョコレート。
今までに紹介したカライブやグアナラに比べると甘味を感じやすい味ではあります。
しかし、次に紹介する「エクアトリアル・ノワール」とカカオ分が1%しか違わないのに、特徴をしっかり感じるので、「あまりカカオ分が高くなく、でも特徴はある程度欲しい」という場合にはおすすめです。
最初はカカオの苦み→後味は鼻に抜けるようなさわやかさがあります。
ボンボンショコラの作り方記事で紹介しているレシピにこのカラクを使うととても美味しいですよ^^
ヴァローナ/エクアトリアルノワールの特徴
エクアトリアル・ノワールはカカオ55%のブラックチョコレート。
- ココアバターの追油が多いので、焼き菓子には向かない
- マイルドなカカオフレーバー
なのが特徴です。
他のヴァローナ商品に比べると甘みを感じます。
先に紹介したカラクも甘みを感じるけど、エクアトリアルノワールはそのカラクよりもうちょっと甘味があります。
このチョコレートをそのまま食べても味や口どけの濃厚さがわかりますが、良くも悪くも「プレーンな味」です。
チョコ以外の素材の特徴を生かしたいときにいいかも。
あとは1kg3千円台と、他のヴァローナ商品に比べるとお手頃価格なチョコレートです。
アラグアニの特徴
アラグアニはカカオ72%のブラックチョコレートです。
- ベネズエラ産カカオのみ使用
- 苦みからのレーズンやマロンを思わせる香り
- ブラウンシュガーを使っている
特徴は上記のような感じですが、そうですね・・・近いカカオ分のグアナラの方が個人的には好みというのが正直なところです。
香りがふわっと広がる、とかはなかったかなぁ。(すみません、正直に・・・)
ニアンボの特徴
ニアンボはカカオ68%のブラックチョコレートです。
- ガーナ産カカオのみを使用
- 繊細な酸味と丸みを帯びたチョコレート風味
ガーナ産カカオ使用なので、酸味は繊細。
食べるまでは「丸みを帯びたチョコレート風味って何ぞや」と思っていたけど、いざ試食してみるとその通りな感じです。とても美味しいです。
エクストラビターの特徴
エクストラビターはカカオ61%のブラックチョコレートです。
- 繊細な酸味とほろ苦さが特徴
- アプリコット似のドライフルーツ系の香りもある
もともと鼻が詰まり気味の私は正直、ドライフルーツ系の香りはわかりませんでした。(笑)
ですが、苦みはしっかりと感じました!
ボンボンショコラにしたとき、華やかさというよりはどっしり感がある仕上がりになりましたので、重厚感が欲しいときに良さそうです。
グアナラ・ラクテの特徴
ヴァローナのミルクチョコレートといえばジヴァラ・ラクテが有名ですが、個人的にはグアナラ・ラクテがいちばん好みです。
- カカオ分41%
- 甘さ控えめ
ミルク感がちゃんとありつつ、でもカカオの胸焼け感なし、甘さ控えめで様々なガナッシュに使っています。
残念なのは1kg単位でしか売っていない点ですが、そのまま食べても消費できそうな美味しさです。
オパリスの特徴
ヴァローナのホワイトチョコレートといえばイボワールが有名ですが、わたしにはちょっと重く感じる&甘いと思っていたんですよね。
しかしこのオパリスは、甘さ控えめ!
原材料でいうと、イボワールは砂糖が1番目なのに対し、オパリスは砂糖が3番目。
どちらかというとミルク感が強く、かといってココアバターの胸焼け感はなし。
今まで試したなかで、いちばん好きなホワイトチョコレートでした!
色が白に近いので、他の素材と合わせてもきれいな色が出やすいのが特徴です。
まとめ
この記事では、ヴァローナ社の製菓用チョコレートについてご紹介しました。
まとめると、
- とにかく種類が多い
- 小分けされているものと1kg単位しかないものとバラバラ
- 商品によって味が結構異なる
- カカオ分の数字より味や特徴で選ぶのがおすすめ
- 個人的な好みで言うと、おすすめはグアナラ、カライブ、グアナラ・ラクテ、オパリス。
といった内容です。
長くなりましたが、参考になれば嬉しいです。
お読みいただきありがとうございました!
ヴァローナチョコの補足
ヴァローナのビターチョコレート・ミルクチョコレートには3つのランクがあります。
- グラン・クリュ・テロワール
- グラン・クリュ・マリアージュ
- シグネチャー・プロフェッショナル
この横文字は覚える必要はありません。
分かれ方は、
- 1はカカオ豆にこだわっていて一番平均単価が高い
- 2は有名な名前の商品が多い
- 3は作業性を重視して作られたもの(平均単価が一番安い)
となっています。
同じヴァローナでも価格に差があるのはそういう理由からですね。
参考までに。
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